エジプト総督から贈られた、古代エジプトのオベリスク
クレオパトラの針(Cleopatra's Needle)は、テムズ河の川辺、エンバンクメント・ピア(桟橋)の北側にあるオベリスクです。全長約21メートル、重量約224トンの巨大なモニュメントは花崗岩で造られ、表面にはエジプトの象形文字が刻まれています。
クレオパトラの針とは、19世紀にエジプトからパリとニューヨーク、ロンドンに移された3つの古代エジプトのオベリスクの名前です。全て本物のオベリスクで、ロンドンのオベリスクはエジプト第18王朝の時代(紀元前1450年頃)に作られました。実際はクレオパトラが生きた時代より1000年以上昔の物ですが、最初にパリに移されたものが「クレオパトラの針」と呼ばれたため、残りも同様の名で呼ばれています。
ロンドンのオベリスクは、1819年、当時のエジプト総督ムハンマド・アリーが、1798年のナイルの海戦と1801年アレクサンドリアの戦いでのイギリスの勝利を記念して、イギリスにオベリスクを贈る運びになりました。
オベリスクの輸送費は膨大で、輸送は難しく航海中のトラブルもあり、寄贈から約60年後の1878年9月、ようやく現在の場所にオべリスクが設置されました。
オベリスクの両脇には2体のスフィンクス像が設置されています。片方のスフィンクスには第一次大戦中にドイツ軍が落とした爆弾で受けた損傷があり、当時の記録として修復されずそのまま残されています。
住所 | WC2N 6PB London |
アクセス | Embankment駅から徒歩3分 |
クレオパトラの針 Cleopatra’s Needle